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土間のある風景
こんにちは。”髭の設計士”です。久しぶりのブログ・・・ご無沙汰しております。
今回のテーマは ”土間のある風景” 何か懐かしくもあり土の匂いがしそうな感じですが、建築の設計では今でもいろんな場所で多用します。
左の写真は、北陸、山代温泉の べにや無何有 という
ホテルのエントランスロビー。
ホテルと言えば、通常なら石張りなどの床が多いのですが
ここは本物の ”DOMA” で床が仕上げてあります。
10年ほど前に私も訪れたことがありますが、土足(靴)でも
何か柔らさを感じられ、とても良い感触だったことを今でも
覚えています。
さて、住宅の設計でも”DOMA”はいろんなところで活躍します。特にエントランス玄関廻り、リビングに上り込む前、靴を脱ぐ場所です。
しかしながら、私は単なる住宅の玄関として設計デザインすることはあまり好みではありません。面積に制約がある場合は別ですが、そこに
靴や道具をしまう機能性を確保しながら、何かしら意味を込めてデザインすることを心掛けます。何せ玄関は”家の顔”ですから・・・・・。
右の写真は最近出来上がった住宅(2世帯)の玄関廻り。
自らの提案をお施主様が受け入れてくださった結果です。
玄関扉にたどり着くまで長いアプローチがあり、ドアを開けた瞬間
こんな感じに玄関が広がります。大きなガラスの向こうには坪庭。
光を届けることと、室内の広がりを感じてもらうのが目的です。
左の写真は、やはり最近完成したお宅の玄関。
玄関扉を開けた瞬間こんな風景が広がります。突き当りのガラス窓まで
5m以上あるのですが、右側が壁面収納(土間収納)、左側には和室と坪庭。
全体に和モダンのコンセプトを柱に京都の”通り土間”を演出しました。
一番奥が玄関ホールです。
”DOMA”のデザインは玄関廻りだけにとどまりません。
上の図面は5年ほど前のプラン図(設計原案)になります。実際はかなり変更がありましたが、イメージはそのままに完成しました。
コンセプトは ”家の中を貫く通り土間の家” 玄関廻りだけでなく和室、リビングの中にまで長いDOMAを通しました。
昔の家づくりのイメージを現代建築に取り込んだ設計としました。土間が生活動線の一部としていろんな場所に有機的につながった住宅です。
建物の大きさにある程度余裕がないとここまでできませんが、決して無駄な空間ではなくリビングの広がり感をさらに効果的にしています。
最後に右の写真。中庭(ライトコート)のあるお宅です。
施主様のイメージが最初から”中庭”だったということもあり、それをどう生かすか?
が課題でした。写真は玄関ホールから見た中庭。玄関の床がそのまま中庭まで貫いて
奥行き感を感じます。向こうに見える二つの窓は、リビングと和室の窓。
家のどこにいても、中庭の存在を感じられるような設計です。
このお宅も”DOMA”はその意味で大事な役割を果たしています。
このように一般住宅の中でも、”DOMA”はいろんなところで活躍できます。無駄なスペースを作るのではなく、限られたスペースの中で
どこまで豊かな空間を作り出すか・・・・・? 土間 はそのための大事なツール・・・・・私はそう思います。